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地球環境と新型インフルエンザ [環境]

 「パンデミック」という言葉はどこに行ってしまったのか。24日、豚由来の新型インフエンザ「H1N1」について、米オバマ大統領が「国家緊急事態」を宣言した。世界保健機関(WHO)が世界的大流行の警戒水準フェーズ6(パンデミック)を宣言したのは今年の6月。折から北半球がウイルスが増殖しにくい高温多湿期に向かったこと、テレビや新聞が毒性は通常の季節性インフルエンザ程度で人の致死率は高くないと喧伝したために、マスクが店頭から消えるようなパニックは収まった。ところが調べると、WHOは今も警戒水準を引き下げていない。
 木村盛世さんが指摘するまでもなく、成田空港での水際作戦の無意味さは誰の目にも明らかだった。今回の新型インフルエンザでは、疑いを含めて国内で30人以上が亡くなっている。南半球でより毒性を強めた亜種がすでに入り込んでいる可能性がないとはいえない。やっとワクチン接種が始まったが、医師や看護師を優先して同じ病院の受付担当者や事務員は後回し。これまで「2回の接種が必要」としていたのを、にわかに「1回で十分」としたのは、役所の数字合わせなのか裏づけがあってのことなのか。本格的な流行はこれからなのに、行政側のチグハグぶりが目に付く。
 天然痘、ペスト、梅毒、コレラ、スペインかぜ、結核、発疹チフス、マラリヤなどが過去に多くの死者を出したパンデミック感染症だ。そこまでには至らなかったが、2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)はたいへんな騒ぎになった。AIDSもそうだが、未知の人獣共通感染症のウイルスが蔓延するのは、バンアレン帯の破壊が遠因という人もいる。過剰な紫外線がウイルスや細菌を変質させ、エンデミック(限定地域の流行)にとどまっていた風土病が交通機関の発展で世界に広がっているというのだ。この指摘は説得力を持つ。
 地球温暖化現象にストップをかけようとCO2排出量の削減が叫ばれ、鳩山さんは2020年までに90年比25%減を世界に宣言した。様ざまな議論があるにしても、温暖化防止は世界の共通認識になってきた。冷夏・暖冬、想定外の集中豪雨や海面の上昇は、目に見えるし数値で示すことができる。環境破壊と病理の関係について、日本では北海道大学や総合地球環境学研究所などが研究を進めているようだが、ウイルスや細菌は目に見えない。ノストラダムスが予言した大魔王は人間そのものかもしれない。(2009.10.26)
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