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ノリピー公判と所信表明演説 [テレビ]

 台風20号の雨のせいでも体調のせいでもなく、昨日は一日、一歩も外に出ずに過ごした。北の国の人には笑われるだろうが、ここ数日、日中の最高気温が20度に達さず、秋を飛び越した冬の気配に思わずセーターを引っ張り出した。参院補選は2議席とも民主新顔が当選したが、神奈川県は28・67%、静岡県は35・64%と、お天気並みのお寒い投票率で、朝日が1面トップに打った「衆院選の勢い維持」の見出しが何とも空しい。明けて召集された臨時国会では鳩山首相の所信表明演説で国会秋の陣がスタートした。
 ニュースやワイドショウはさぞかし政治ネタで賑やかだろうと朝からテレビを見たが、NHKを除いて各局とも酒井法子の覚醒剤裁判の公判で上を下への大騒ぎだ。傍聴席を確保するために民放や週刊誌が何人のアルバイトを動員したのか、早朝から日比谷公園に6615人が行列を作った。これまで最も傍聴希望者が多かったのは、オウム真理教代表・松本智津夫被告に死刑判決を下した公判のときの4658人。それを軽く上回るのは流石にノリピーというべきか、一億総白痴ここに極まれりか。
 どんな容疑だろうと、報道機関が傍聴するのは裁判の公平さを維持する監視機能として必要なので、一般傍聴席の外にメディア席が用意されている。にもかかわらず一般傍聴席までメディアが争奪するのは、報道、ジャーナリズムの名のもとでの横暴だ。視聴率ほしさの浅ましい下心がミエミエで、情けなくもある。たかが忘れ去られつつあるタレントのゴシップではないか。社会的事件としてなら、人一人が亡くなっている押尾容疑者の方が重い。首相の所信演説がトップで報道されたのは夜の定番ニュースになってからというのは、民放がスポンサーありきの収益性に屈しているとしか思えない。
 翻って、「友愛」の理念を語り、「平成維新」を宣言した52分間の首相の演説に対して、自民党の谷垣さんは「冗長で情緒的。具体性がなかった」と評したが、公明党は「共感できるところが少なくない」と擦り寄る姿勢を見せている。拙者から見ると、自分の言葉で理念を語り政治の哲学を示す所信表明らしい演説だったと思う。国会秋の陣で自民党は鳩山さんの故人献金問題や来年度予算案の問題点を衝く作戦のようだが、同じ穴の狢を露呈し、天に唾することになりかねない。民放も自民党も自らの役割と責務を矮小化せず、志に正面から向い合うべきだ。(2009.10.27)
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