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若者よ 立ち上げれ! [世相]

 朝日の報道に続いて、今夜のNHKニュースウォッチ9でも来年春の大卒予定者の就職内定率が7割に達していないというレポートを流していた。特に文科系4年制女子の就職が難しい。昨年秋を境に急転した日本経済は、“とりあえず”の底打ち感が広がっているが、雇用情勢は依然として厳しい。雇用調整助成金で息を接いでいる社内失職者のリストラが本格化するのはこれから。なるほどベテラン技能者より新卒者の方が給与は安いが、それで仕事が回るはずがない。就職氷河期は来年も続くと見ていい。
 実を言えば拙者も就職浪人+派遣就労の経験者だ。オイルショックにうろたえた企業が新卒予定数を半分に減らし、内定取り消しが乱発された。明日が卒業式という2月の半ば、夜8時過ぎに入った一本の電話で人生が変わった。アルバイトで始めたトラックの仕事がきっかけになって、やっと市場が広がってきた情報処理サービス会社に拾われ、以後の細かなことは割愛するけれども、それがまたきっかけとなって新聞社に入った。学卒採用にはあぶれたが、仕事はいくらでもあったし、バブルの恩恵も享受した。
 ところが今は、仕事があっても正規で雇ってもらえない。非正規雇用が給与生活者全体の3割を超える。20代~30代前半に限ると4割を上回る。企業は正規雇用者にかかる社会保障負担を削減して目先の利益として積み上げる。この15年、それを続けてきた企業は将来の展望を描けなくなっている。加えて今次の不況は米欧市場の回復待ち、中国頼りで、国内の下請中小企業はアジア諸国の給与水準との競争を迫られる。韓国の学生たちと意見交換するようになってかれこれ10年になる。最初、彼らが口々に「アメリカに行きたい」「日本で仕事をしたい」と言ったので大いに驚いたことがある。
 聞けば大学を出ても正規に就職できるのは3人に1人、あとは非正規かアルバイトで生活するしかない。当時、韓国では35歳定年の企業が少なくなかった。業績優秀と判断された社員はその後も勤続できるが、凡人は早期退職を促される。野心的な技術者は上積みされた退職金を元手に起業する。終身雇用が熟練技術の継承に有効だったのは間違いないが、起業意欲を減退させたのも事実なので、どちらがいいかは分からない。時計の針は後戻りできない。職能別労組や職能別賃金制度など新しい社会制度を作っていかなければ、日本はもっとひどい国になる。若者よ、立ち上がれ!(2009.11.25)
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